牛肉生産システムの大構造改革:科学と国土をフル活用した大革新。


現在の畜産は、高騰する輸入飼料相場に翻弄される経営困難、循環不可の過剰糞尿処理、BSE等の食の安全、脂肪過多牛肉志向で硬直したマーケット、さらに集約的飼養による動物福祉等、多くの問題を抱えている。新しい生物科学概念「代謝プログラミング」研究をシーズとして牛の代謝を早期に制御し、飼料には日本の豊富な植物資源を放牧により高度活用し、その飼養管理には先端ICTを駆使する。さらに販売には、エシカル(倫理的な)ダイレクトマーケットを構築し、若い農業者が未来に希望をもち、産業として世界と戦えるよう畜産業を構造改革し大革新する。
研究動機
現在の畜産は、1頭の和牛を生産するのに5トン余りの穀物飼料を必要としている。1㎏の和牛肉生産にはバーチャルで、水が約20トン必要と言われている。現場では、高騰する輸入飼料相場に翻弄される経営の困難(売値の90%以上がコスト。政府の補助金なしでは経営不可能な状態)、循環不可の過剰糞尿処理(豚鶏牛で8000万トンの糞尿が日本に蓄積)、BSE等の食の安全(穀物飼料の90%は輸入。これに種々のウイルスが付着するリスクがある)、脂肪過多牛肉の志向で硬直した流通、さらに集約的飼養による動物福祉等、多くの問題を抱える。日本は農業を関税等で守ってきたが、近年迫られるTPP政策等により、足腰の強い、農業、畜産業が必要不可欠である。家畜の飼料として大量に輸入している穀物はヒトも食すことができる。発展途上国に目を向けると国連食糧農業機関(FAO)の調査では世界中で食糧不足に悩む人は現在10億人以上であり、子供の餓死者は年間500万人以上である。また近年石油価格の高騰から穀物をバイオ燃料の材料として活用する施策も世界的に推進される。日本は、このような状況を強く認識し、先進国として世界的な食料バランスを考慮し、少しずつでも輸入飼料依存型の牛肉生産システムからの脱却を計り、国内の草資源を活かした安全で良質かつ持続的な牛肉生産システムにシフトする必要がある。

課題解決のために
1. 国内草原のフル活用:
  草原の利用耕作放棄地の活用
アニマルウエルフェアに 根差した放牧肥育



2. 新しい飼育技術:ウシの体質制御
代謝プログラミング研究・応用

 

3. 新しい肉質評価とマーケットの創出
  安全性と品質管理
スマートフォンやタブレットによるネットや facebook 等を活用した無店舗型ダイレクトマーケット  ⇒ 低コスト 高収益



4. IT技術を活用した高度放牧管理システム
スマートフォンやタブレットを 活用した放牧のIT管理 ⇒ 高パフォーマンス型畜産




代謝プログラミングにより家畜の能力を最大に引き出し、美味しい食肉を生産する。



科学を基盤とし,未来を見据えた理論的,理想的かつ現場に応用可能な現実的な生産システムパッケージの構築研究が不可欠である。代謝プログラミングという概念は,ヒトの健康医学等で肥満や体質に起源する疾病予防のために研究されている分野である。この概念を,食料生産に応用している例は,ほとんどない。日本を代表する和牛肉質の特徴を、エピジェネティクスを基盤とした代謝プログラミングで、輸入穀物でなく、牧草等の植物資源による肥育でも、発揮し生産することが可能となれば、わが国の植物資源を活用した循環型の生産システムが可能となり、世界的にも革新的で有意義な畜産システムを日本から世界へ発信できる。また、パッケージとして、多くの民間企業とも連携し(図に記載)、先端ICT技術による放牧肥育牛の管理、さらにその販売においては、ダイレクトマーケット技術を用いたエシカル(倫理的)マーケットの構築を行うもので、このような具体的な牛肉生産の全体パッケージを提案しているプロジェクトはほとんどなく独創的である。
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